ゲノム編集種子から健康創造企業へ
PHASE 1として家庭菜園農家に苗、土壌改良剤(微生物)、肥料を配布する背景
新しいトマトの種子を供給する際に協力してもらわなければいけないサプライチェーンには大きな二つの存在があります。それは農家とスーパーです。このサプライチェーンは食べ物に関しては保守的であり、新しい食品に対して世間の風評を気にする存在です。彼らにしてみればリスクマネージメントであり、当然の行動であることは十分理解できます。
家庭菜園農家は農家という側面と消費者という側面を同時に持つPROSUMERであります。まず、保守的な農家とスーパーと話す前に、先進的な家庭菜園農家に両方の役割を実際にやって頂こうということで、公募という形で無償で苗を提供し、皆さんの意見をモニターすることにしたのです。そうすれば、農家もスーパーも安心して取り扱ってくれると考えたからです。
そもそも、我々のゲノム編集トマトは科学的にも生物学的にも全く問題がないとされ、各省庁が認めたものであります。表示もちゃんと明示すると発表しています。生物学的に問題ないとか、国に認められたとかも商品化する前に極めて大事ですが、実際に作る人、食べる人の判断は社会受容という面から更に重要だと言えるかもしれません。
それというのも、私個人があらゆる人にGABAが4~5倍入っているトマトをやるんだといいますと、是非、欲しい!作って奥さんや親戚に食べさせたいという人が圧倒的でした。そういう消費者の皆様がそう言っておられるのですから、実際に作って食べてもらいSNSで拡散して頂くのが一番の社会受容でもありメディアであると考えたのも事実であります。
実際に我が社のウェブサイトで無償苗の応募を呼びかけたら、たった1週間で2,000名くらいの応募がありました。これには正直、驚きました。総計で、5,000人を超えたところで、募集を打ち切らせてもらいました。
すでにLINEを開始しましたが、いつ苗は送るんだ、血圧に本当にいいのかなどと反響はすごく積極的でした。
PHASE2としての実際の有料のマーケティング
PHASE2としての実際の有料のマーケティングをどうするかはずいぶん悩みました。結論としまして;新しい試みとして我々自らがトマトを加工して消費者にダイレクトにお届けするD2C(Direct to Consumer)を実践したいと思っております。勿論、青果物も流通に乗せたいと思いますが、栽培はすべて契約栽培とし、加工品を優先させていこうと思っております。
「常備トマト」として保存のきくピューレやジュース、粉末といった加工食品で我々が直接届けるという戦略をとりました。
私どもの会社のミッションは「消費者の新しい価値を創造し、農業生産者の利益に貢献する」こと
その理由は次の通りです。
消費者が簡単にいつでも手に入るようにするには最初はピューレ、或いは粉末にするのがいいと思います。青果物では不安定な供給となります。毎日届けられる乳酸菌飲料がありますが、あれと同じように少量でも毎日飲んで頂きたい商品です。
実際、このトマトは驚くほど少量でGABAが十分に摂取できるので、まさにゲノム編集だから可能になった素晴らしい商品と言えます。
これは我々のミッションである消費者の新しい価値を創造するに合致します。
毎日、小さな容器のピューレやジュースで飲んでいいただけると、少量でも全体では相当なトマトの生産量となります。トマト農家はこの数年、価格の暴落で自殺者が何人も出るという悲劇が起こっています。我々は消費者のこうした新しいニーズを掘り起こし、契約栽培農家にできるだけ沢山作ってもらい、相場よりなるだけ高い価格で買うつもりです。加工用ですから、農家は一定の安定した価格で安心してトマトを作ることができます。サイズの大小や形状の少し曲がったものでも出荷できるので、生産性はまるで違います。もう一つのミッションの農家の利益に貢献するに合致するわけです。
消費者団体の方々から、ゲノム編集の種子をどの農家に売り、流通は透明性があるかの質問をよく受けました。いわゆるトレーサビリティ(traceability)です。我々は種子の生産販売からトマト生産そのものにも関与してトレーサビリティを確保するとともに、この加工トマトの品質を担保するために生産農家はすべて契約栽培にするつもりです。その契約農家に対しては、データを駆使して生産性を上げるお手伝いもします。
我々は農家の水質、土壌、作物の栄養元素の分析データから栽培管理を行うサービスをしてまいりました。どの時期にどの肥料や農薬を最適に配分するかを指導し、そして出来るだけ微生物によるバイオロジカルな手法を用いて栽培することでトマトやイチゴ農家の収量を2倍以上にし、秀品率も大幅にアップさせてきた実績があります。このサービスについて、農家のスマホと直接つなぎ、分析や処方データを共有するビジネスモデルを新会社、(株)PsEcoとして立ち上げました。
このテクノロジーを契約栽培農家に応用して、大幅な生産性アップを考えております。将来は契約栽培農家の化学肥料や農薬の使用量が消費者にも可視化できるようになると思います。
日本の農業をゲノム編集種子で活性化し、世界に向けて販売する
日本の農業は下降線の一途をたどっているのは農業白書を見れば明らかです。これを活性化するのは消費者の新しい価値と需要を農業・農村から創造することです。
この常備トマトとしての需要は毎日、100万人が1パック飲むだけで、トマトは年間12,000トン以上の新たな生産が必要です。現在、トマト相場が1キロあたり、400円だとして、これを2-3割増し(プラス歩留まりほぼ100パーセント)の480-520円で買い上げるとなると、農家に新たに55-60億円の市場が生まれます。
歩留まりが100パーセント近くあり、選果の必要がないので実際の所得はもっと上がります。
皆さんがよく飲まれている胃にやさしいとされる特定の乳酸菌入りヨーグルトは1本132-3円です。それと同じくらいか少し高い値段でこのギャバが十分入ったピューレやジュースが売られたら、お買い求め頂けるのではないかと考えています。
中国では医食同源という言葉があります。中国向けには粉末を考えております。丁度、青汁の粉末のような形になるでしょう。日本の農産物は海外で評価が高いですが、このハイギャバトマトも日本の農産物として広く中国、アジア、アメリカで売られることを期待してます。そうなれば、農家はもっとこのトマトをさらに増産できますので、こうしたトマト生産を年間10万トンくらいにもっていきたいと思います。我々は農家の利益に大きく貢献することになり、これ以上の喜びはありません。
ゲノム編集種子から健康創造企業へ
人々の健康を考えながらゲノム編集種子開発し、バイオロジカルな栽培を主導し、健康食品による価値提案をしてゆく会社になりたいと思います。いつも、食卓や職場に置いておいて、健康を守る常備トマトとして愛されるようになりたいと思っております。売り方はD2Cのネットによる直売で、皆さんの健康に寄り添う企業になりたいと考えております。
(本日、令和3年4月23日から先行予約ページがご覧いただけます。)
https://p-e-s.co.jp/tomato/sicilianrouge-higaba/
(参考資料)
高血圧学会:一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子
厚生労働省(高血圧について):平成29年(2017)患者調査の概況
厚生労働省(睡眠について):e-ヘルスネット 不眠症